ぼくはこの仕事を始める前は1年程中国の雲南省昆明にいたのですが、最初驚いたというか、衝撃だったのは、朝7時に広い運動場に行くと、小さい子供から老人までが一様に運動していたことです。
日本ではこんな大勢が朝から運動しているというのは見られない光景なので、ある意味異様なくらいでした。
走ったり、内家拳の型をやっていたり、運動部のような人たちもいました。
学生は学ランのまま走っていました。
当時、ぼくは滞在当初雲南で一番大きい沙国政武術館で形意拳をやっていて、始めて数か月は基本の五行拳を反復的にやり、他に幾つかの拳と套路(型)も3つ程習ったので朝にやっていたのですが、ある日マレーシア人の女性と歩いていた中国男性に話しかけられました。
その男性も以前沙国政武術館に通っていたことがわかり、ぼくの崩拳を見せたら「本当に数か月?凄いね」と評価してくれつつ、細かい所を修正してくれました。修正してもらうと、うまく力が抜けながら突きが走るようになり、教えるのが上手い人だと感じました。
お兄さんも套路を見せてくれたんですが、まだ修得していなかった套路で、その動きの速さに驚きました。
攻撃をよけながら相手の懐に入り込む動作が連続した部分があったのですが、その動作の速さには、見ていた周りの人達もむぅ~と驚いていました。
物理的な「速さ」というよりは、間に入られるような、実戦だったらタイミングを崩されるだろうなというような「速さ」でした。
沙国政武術館は、教えてくれていた沙国政のお孫さんが忙しくなったのと、元々やっていた陳式太極拳の興味深い?先生がいたので、そちらに行くようになり、形意拳の練習はそれ程やらなくなりましたが、陳式太極拳をやり込みました。
たまに、あの套路だけでも雲南省にまた習いに行きたいなと思うことがあります。