A.T.stillの自伝は色々示唆されるものがありますが、今読んでいて面白かった箇所は、スティルのカークスビルでまだ年を経てない頃から、機械技師や銃工をやっていたロバートハリスという友人がいて、時間の許せる間中一緒だったという位仲が良かったみたいなんですが、stillと信条を同じくしていた点はヒトが「機械の中の機械」で、「他の全て、自然の中に見出されるものはヒトの中にあるもののイミテーションで原則に過ぎない」ということです。
「神は人を己に似せて創った」ため、人の中には森羅万象全ての雛形があると考えます。
stillは人体を機械とみなしていました。精神もエネルギーも肉体も構成するシステムとしての機械です。
ある時stillがハリスに、
「人が与えられた真理を見つめ、それを取り入れるのにひどく時間がかかるのは何故なのか」
と尋ねたらしいです。
ハリスの応えは、
「人は理解できないものは自然におそれる。人は生も死も理解できない。そのようなテーマについて考えたり話すのをおそれるから。ただ少数の者だけが、よく知られたやり方の外側を考えることを自身に許す」
この言葉は全ての言葉の中でstillに安らぎと、人が真理を拒絶したり受け入れなかったりする時の助けになったとのことです。
スティルの治療方法というのは当時としてはかなり異端なもので、医者でありながら当時の医学的知識に満足できなかったstillはあらゆる角度から人体を研究しています。かなり変人扱いされていますし、誤解が多かったようです。
書籍や動物では満足できず、骨格の構造に徹底して馴れ親しむまでネイティヴアメリカンの死体を掘っては解剖しということを何度も繰り返します。異端の医者、闇医者の鏡ですね(笑)心の底から尊敬します。人体の構造や生理に精通するだけでなく、アル中を暗示で治したりもしています。
“ Indian after Indian was exhumed and dissected, and still I was not satisfied. A thousand experiments were made with bones, until I became quite familiar with the bony structure.”
抜粋:: Andrew Taylor Still “Autobiography of Andrew T. Still” chapter6
“My dear friend, I have power on earth and in heaven. I am acquainted with the living men and angels, male and female, and your mother says for me to snatch you away from these whisky hells!” I put my hand upon his abdomen, punched, snatched, and scratched, and told the old gentleman that, “From this day on whisky will make you sick. It will make you vomit whenever you smell of it. If you think I lie, go stick your nose in that saloon, and come back to me.” In a few minutes he returned, and said that he got the smell of the beer and whisky, and he began to turn sick at the stomach. He didn’t want to stay any longer for fear he would throw up. I watched his conduct for a period of seven years, at which time he died, having never tasted whisky from the time I told him I knew all about devils, life, and death, and he always thanked me for rescuing him from drunkenness.”
抜粋:: Andrew Taylor Still “Autobiography of Andrew T. Still” chapter9。
ぼくも、不遜かもしれませんが、施術しながらたまに人体実験しながら料金を頂いていると感じることがあります。
生きている人体が一番勉強になりますからね。
人体はまだまだ発見がありますから、日々実験みたいなものかもしれません。人体実験に投資して頂いていると思うようにします。科学も実験の繰り返しですね。人生自体が実験だとも思います。
人体を探求する場合、皆どうしてもマッドサイエンティストのようになると思います。
人体は地域によっても、人種、時代、場所といった環境で全く違うものになります。
例えば今年は花粉症を発症したという人が多いですが、感じるのは花粉以上に化学物質の反応が甚大です。
先日施術しに行った八ヶ岳なんかそうでしたが、ひらけたところに行くと、空気が黄色かったり靄がかかったように白いですから。
当然人体には影響があり、中国から日本にかけて特有の症状が出ます。
stillのようなパイオニア精神と、革新性、探究心のある医療関係者、物理学者のチーム、はやく編成したいですね。
Autobiography of Andrew T. StillはiBooksでダウンロードしたのを読んでいます。本もありますが、分厚いので、、
ボディデザインラボ takeji