場、空間を読み取るという話ですが、スポーツにはゾーンという意識状態が存在します。
これは、意識の高度を極端に上げていって飽和状態になり拡散する場合と、最初から意識が拡散した状態で全体を捉えるというパターンがあると思います。
臨床では、身体の組織のある部分に意識を強く加えると、対象部位を固めてしまうこともあり、拡散した意識が奨励されます。
意識は広く空間全体を感じ、その全体の一部として身体を捉えるという感覚です。
組織を解放する時に瞬発的に強い思念を使う方法もありますが、臨床で使うチャンネルは、意識が広く空間に分散している状態がニュートラルといえます。
空間をコントロールするという場合、ぼくはその境地には至っていないので仮説になりますが、空間の隅々までフィールドを広げ、空間を自分の一部のようなものとして「テリトリー化」する感覚といえます。
空間に入り取り込まれ、完全に自分の一部になった対象者については、次にどう動くか気配でわかるようになるのでしょう。
このような状態になるには、エネルギーや磁力といった情報体だけでなく、肉体を中心に他の情報体を扱っていく経験が必要になると思います。
この世界では肉体が中心ですから、エネルギーや磁力といったものだけに偏っていくとどうしてもおかしい方向に進むようです。実際に、肉体を扱わなくなっておかしくなった方々は多いです。肉体をないがしろにし、肉体から離れるとどうしても思い込みや、想念の力だけを使った世界に入ってしまうようですね。これは、個人的にもいつも気を付けている部分です。
武術愛好者でも、思い込みの世界に入る人が多いですが、それは肉体の鍛錬を離れて、気やエネルギーの世界で万能感を感じるようになるからです。
実際、肉体を離れて何ものも存在し得ないので、何にもまして肉体というのは中心になるべきで、肉体が全ての起点といえます。