合気を周りに張り巡らす男

武田惣角と大東流合気柔術 改訂版 Kindle版

 

 

 

大東流創始者(と思われる)武田惣角関係者の証言集。

 

 

大東流は合気道の元になった柔術。合気道に合気はなく、合気道の創始者も合気は伝えられていないとのことですが、塩田剛三を見ていると合気を使っているように見える。ぼくは合気使えませんが。

 

 

個人的には息子さんと、堀川幸道夫人の証言が面白かった。

 

 

息子さんが近所の婦人と旅館?の1階で話していると、2回で話など聞こえないはずの惣角がだだだっと降りてきて「きちがいと話すのはよせ」と一言。

 

 

息子さんからどうみても基地外にはみえない夫人。数日後夫人のご主人と話すと、夫人は出産後に頭がおかしなところが増えたとのこと。

 

 

ある人と惣角、息子さんで話をしていると数秒前まで話していた惣角が消えた。ふすまが開いた気配もない。探しても見つからず、還る時分に玄関を開けると外に立っていた。対談者を警戒してとのこと。武田家には「壁抜けの術」があるという話。

 

 

息子さんが人足の仕事をしている人と話していたら、また2回からどどどっと降りてきて「偉いとこの坊さんだったのが女に狂って寺を出たな」とのことで、その通りだったとのこと。

 

 

 

堀川幸道夫人の証言では「堀川幸道は身体ではなく指先で合気をかけていた。そのため指は少し変形していた」とのこと。

 

 

佐川幸義から伝わる武田惣角と、息子さんから伝わる武田惣角がまた随分雰囲気が違うけど、息子さんの武田惣角の方が読んでいておもしろく、佐川幸義はだいぶはっきりした人で、合理的な人だったんだなという印象。

 

 

読んでいてところどころ、やはり今の日本人と当時の日本人でも身体のできがだいぶ違うなーという印象。

 

 

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