医術の世界では元々、
「診察室まで歩いてくる患者さんの足音で調子がわかる」
「声の調子でどこがおかしいかわかる」
という境地があり、武術でも
「対峙した瞬間に相手の力量がわかる」
「相手の弱点が自然に浮いてくる」
という境地があります。
これらは、場を読み取る力、空間を測る力が身についた先に存在するものです。
臨床においては、最初は触診で受け手の状態を知ることから入り、触診で皮膚感覚が身につくと、眼や皮膚の延長を介して「フィールド」に入り、対象をフィールドでトレースすることで状態を知るようになります。
頭蓋は強い電磁場で、眼は脳が外在化した器官なので、エネルギーが沢山出ているところです。そのため、眼で相手の肉体をトレースしていくと、無防備なところにはエネルギーがスーッと入っていきます。
このようなことを反復すると、今度は自分の皮膚感覚や気配を拡張していくことでその空間の状態が把握できる感覚が付いてきます。
うちに来る感覚の敏感な方は、オフィスに入った瞬間にぼくの気配、意識に入りこむ感覚があるそうです(笑)
確かに、ぼくの調子がいい時は玄関に人が入ってきた時に、人間関係で疲労しているとか、感情に上手く対処できていないんだとか、情報が伝わってきたり、次の施術の方は10分くらい遅れて来るなとか、体調が悪そうだなとか伝わって来ることがあります。
臨床を仕事にしていると、年々人や空間の情報を読み取るチャンネルが強くなっていくので、同時にしっかり肉体的な修練を怠らないようにしなければいけませんね。