中枢神経の再生についてかなり詳細な情報が載っています。
読んでみて、光レーザーの理論的根拠、独自の可能性についての発見もありました。
非常に興味深かったのは神経損傷の瘢痕化についてです。
脳卒中後遺症の施術をしていて、反応がいい方と悪い方がいるのですが、反応の悪い場合、神経自体の損傷がまだおさまっていない場合、神経の再生が正常にされていない場合を想定していました。
慢性期では神経の瘢痕化が起こり、これが神経回路を遮断するということです。
簡単にいうと、神経損傷が再生する過程でアストロサイトの作用で瘢痕が生じ、瘢痕は中枢神経から抹消神経への信号の促通を妨害するという事態があり、再生医療もここで苦戦しているということです。神経回路の破綻に対して再生医療が効果的なのも、現時点では瘢痕が形成される慢性期以前の状態だということです。
いくら治療を受けてもリハビリを受けても変化が出ない場合、変化が長期間頭打ちになっている場合、この瘢痕化により神経回路が完全に遮断されている可能性が高いということです。
神経を妨害する瘢痕は硬化した靭帯のようなもので、瘢痕の状態から再活性させるのが難しいのでしょう。
瘢痕を再活性化させ、神経回路促通を促すのは、現時点で光しかないと思います。
光レーザーの作用というのは、自然治癒しにくい細胞活性度が低い組織を積極的に活性化させ、組織の再構成を促すということです。
これによって瘢痕化された神経系の細胞が活動的になり、機能が失われた神経回路が再び機能し始めることになります。