以前取り上げた血糖値スパイクの本と合わせて読むといいですね。
うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった (光文社新書) 新書 – 2017/7/19
うつ、パニックの方はよくみられます。
施術による、整体からの精神的対処法としては、パニックの引き金になる情報(感情や記憶)を特定し、反応する部分に調整をかけることが多いですが、栄養の問題が反応することもあり、鉄の吸収がわるかったり鉄の不足などもチェックするようにしています。
本書では、肝細胞に多く含まれる鉄を含むたんぱく質のフェリチンの値が低い、鉄不足の症状は、うつやパニックの症状とほとんど合致するといいます。
落ち込み、意欲のなさ、イライラ、動悸、息苦しい、めまい、ふらつき、倦怠、冷え、目覚めの悪さ、、
こういった症状を訴える8割が女性らしいですが、日本人の女性99%が鉄不足らしいです。
本書の主張は、
「うつやパニック症状の大半が鉄不足に起因するため、クスリの処方を行う前に栄養学的なアプローチを優先すべきで、特にたんぱく質と鉄をしっかり摂ればしっかりよくなる」
ということです。
欧米では小麦粉に最初から鉄が添加されていたり、肉から鉄を摂取するためにあまり鉄不足が問題にならないようです。肉を食べすぎると動脈硬化はじめ、心血管症のリスクが上がるとは思いますが、、
鉄は貧血に関係するだけではなく、
①ドーパミンやセロトニン生成の補因子で、現状の精神薬はこれら心理の安定に関係するモノアミン系の伝達物質を調整するものが主流になっています。
②抗酸化物質のカタラーゼに不可欠
③生命の根本的エネルギーに鉄は不可欠
ミトコンドリア膜の電子伝達に鉄が不可欠なものになっています。
月経のある女性のほとんどが鉄不足で、妊娠中は胎児に鉄が移行するため、鉄不足が助長されます。
妊娠中に情緒不安定になる女性や、産後うつの方は特に鉄不足があるかもしれません。
うちに来る方でも、産後に心身が乱れてしまい、戻らないという方が多いので、鉄不足は関係ある可能性があります。
ベジタリアン、炭水化物の過剰など糖質過多の場合は特に鉄不足が著しく、たんぱく質の不足も同じようにみられるようです。
玄米のフィチン酸は亜鉛や鉄の吸収を阻害してしまうので、玄米食の方も鉄不足がみられるかもしれません。
お茶やコーヒーのタンニンも鉄とくっついて排出してしまい、ビタミンCは鉄の吸収を助けるようです。
本書が勧める食事は、低糖質でレバー、牛肉やカツオ、マグロ、卵やチーズをしっかり摂ろう、ベジタリアンや炭水化物過多の人は鉄不足だという論調ですが、ベジタリアンの人は鉄器やキレート鉄のサプリフェロケルなどで補ってもいいでしょう。
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